T様と初めてお会いしたのは新築マンションのモデルルームをご案内させて頂いたときでした。
T様の奥様は最初から真剣に購入を考えられている様子でしたが、ご主人様は足早にモデルルーム内を見て回り『さぁ帰ろうか』とまさに奥様に連れられてとりあえず見に来たというような素振りでした。
私はそんなT様を見て"ご夫婦の不動産に対しての考えのベクトルが違う方向を向いている"と感じ、T様にご提案させて頂きました。
私『皆様それぞれにいろんな状況や条件、想いがあってマイホーム購入に向けて物件を探されていると思いますが、私が考えるマイホーム購入の大目的は"家族の幸せ"だと思っています。失礼ながらT様ご夫婦は今、向いている方向が違うように思えるのですが、日頃マイホームについてご夫婦でお話になられていますでしょうか?』
年下の私が生意気にもT様ご夫婦にその様に質問したのです。
いやいや、奥様の見学時の姿を見て、このまま帰って欲しくなかったと言った方が正解かもしれません。
するとT様ご家族はすでに一戸建を所有されているとの事です。
その一戸建に対してご主人様は不満なく、既存の住宅ローンがまだ残っているのでマンションに住替えるという考えは殆どないということがわかりました。
私『そうでしたか。大変失礼いたしました。でもよい機会なので宜しければ奥様のお考えもお聞かせ頂けますか?』
とお聞きすると、奥様は現在一戸建に不満があるということではないものの、子供の今後の学校の事や自分達の年齢のことなど、将来的に考えてモノレール駅近くで利便性が良い場所、しっかり管理されており防犯面でもセキュリティーが高い、マンションの方が今後のT様ご家族の為になるというお考えをお持ちでした。
私『今の奥様の考えからT様ご家族に対して私達がご協力出来ることが2つあります。
1つは新築マンションの購入のお手伝い。
2つ目はご主人様も懸念していた一戸建を弊社で買取ることが出来れば時間をかけずに完済ができ、新築マンション購入がスムーズに進められること。』
その2つを伝えて、その日は一旦持ち帰ってマイホーム購入の大目的である"家族の幸せ"についてT様ご家族で話し合いをして頂くご提案をさせて頂きました。
それから数日後、ご主人様より『家族で話し合った結果、現在の事だけではなく将来を見据えてマンション購入を前向きに検討していきたい。
その為には自宅を売却することが必要になるので、その辺についても相談がしたい。』という連絡が入りました。
それから何度かご自宅を拝見させて頂きながら査定を行い、既存住宅ローンの残債などのことも考慮しながら、ご納得して頂いた上で弊社がT様のご自宅を購入させて頂き、同時にT様ご希望の新築マンションもご購入頂きました。
当たり前のことではありますがご家族やご夫婦といっても個人個人の考えや思いがあります。その方向性を合わせられたことが今回良い結果に繋がった要因だと思います。
現在、不動産購入で悩まれている方もご家族での方向性を合わせることで必ず良い不動産に巡り合えると私は信じておりますので、是非ご家族で"夢のマイホーム"について語り合ってみてはいかがでしょうか。